あなたは「損切り」を
きちんとやっていますか?

損切りとは元々は株式のテクニックで、
赤字になるのを分かった上で
決済してしまう手法のことです。

 

これは失敗でもなんでもなく、
れっきとしたテクニックの一つです。

 

せどりでいえば

1000円で仕入れたものを
延々と保管せずに思いきって
700円で売ってしまう、ということです。

赤字処分とか在庫処分とか
そんな意味合いです。

 

赤字になることがわかっていて
売る、というのは

非常に勇気、決断が必要です。

 

しかし状況によってこの損切りを
することによって様々な
メリットを得ることができます。

 

投資だけではなくせどりのような
物販でもこの損切りは
重要なテクニックです。

 

あなたはせどりで売れない在庫を抱え
資金状況が
しんどくはなってきていませんか?

そんな時に損切りという
劇薬が事業の健全性を保つのです。

 

「赤字で決済する意味が分からない!」

 

こう思っている方は是非、本記事で
損切りという重要なテクニックの方法と
その意味を学んでください。

 

せどりの損切りの必要性

投資の世界ではどんなプロでも
含み損のある下落傾向の株を
保有してしまうことがあります。

せどりでも100%完璧にリサーチしたのに
売れ残って処分に困る商品を
仕入れることがありますよね?

それと全く一緒です。

 

そういった株を持ち続けると
さらに価値が下がってより大きな
損失を出してしまうかもしれません。

つまり保有しているだけで
出血しているような状態です。

 

損切りはこれ以上損失を拡大させない様
その株式を切り捨てる「止血」のような
意味合いで使われます。

買った額より少なくなったとしても、
決済することによって
その分の現金が手元に入ります。

 

その現金で
次の利益を生み出せる株式を買うのです。

 

いつまでもマイナスのままで
一向に利益を生み出さない株を
保有しておいても何の価値もありません。

一時マイナスになったとしても、
その株式を売却し現金に換える。

そうすることで新しく
利益の出そうな株式を
購入することができます。

 

せどりの損切りもほぼ同様です。

 

せどりの場合も
売れない在庫を抱えていると、
損失が大きくなります。

場所も圧迫しますし、
FBAなら保管料もかかります。

 

時間経過で品質が劣化する商品なら
さらに損失が大きくなります。

せどりにもこのような
「長期保有リスク」があります。

在庫というのはお金に相当する
「資産価値」はありますが、
「お金」ではないのです。

 

商品は保有していても
何の働きもしません。

売れて初めてお金に代わり、
「仕入れて売る」という
ビジネスの形になるのです。

 

どんなにいっぱい仕入れても
お金にならず在庫になってしまえば
ビジネスではなく単なる「収集」です。

収集は趣味であって
仕事ではありません。

 

売って初めて現金が手に入り、
次の仕入れに繋げられるのです。

とはいえ、物販である以上、
仕入れたものが
100%売れることはあり得ません。

 

どんなに注意深くリサーチしても
避けられない市場変動によって
売れ残りは出てきてしまいます。

また、単純にリサーチに
失敗することだってあるでしょう。

 

割合は違いますが、
どんなにせどりのプロが仕入れても

売れ残り、「滞留品」は絶対に発生します。

 

一定以上は仕方がないのですが、
在庫の中でこの滞留品の割合が
増えるとキャッシュフローが悪化します。

 

在庫をたくさん抱えていても
現金にならないのですから
当然ですね。

にもかかわらず売り上げを増やそうと
すると在庫を多数抱えたまま
次の仕入れに奔走してしまいます。

 

こうして手持ちの現金が
徐々に少なくなっていき、
やがて仕入れができなくなります。

しかし不良在庫はやっぱり売れません。

その間も保管料などの
経費は掛かってきます。

 

こうしてキャッシュフローが
悪化していくのです。

さらに多額の在庫を抱えたまま
年を越すと翌年
とんでもない事態になります。

在庫というのはお金ではない、と
書きましたが、

それはあくまでビジネス上の話です。

 

財務的には資産、
つまりお金として扱われます。

12月31日までに仕入れた商品は
すべて「資産」として
翌年の【課税対象】になります。

 

売れない在庫を多く抱えたまま
年を越して商品全てに課税されると、

現金がないのに
税金額が大幅に上がる事態になります。

こうなると事業の存続どころじゃ
なくなるかもしれません。

 

極端な例ですが、
ありえない話ではありません。

そうならないよう
損切りをする必要があるのです。

 

これ以上価値の上がらない、もしくは
下がる一方の在庫を現時点売れる価格で
処分して、これ以上の損失を防ぐ。

赤字にしてしまえば
財務上赤字計上できます。

 

また、仕入れ額より減少したとはいえ
現金が入ってくることによって
その現金を使えます。

仕入れに充ててもいいですし、
税金の支払いに使ってもいいでしょう。

 

物販ビジネスは現金、
キャッシュフローが重要です。

 

90%の商品で利益を出して、
10%の商品は赤字処分して
100%在庫を売り切る。

それによって常に手元に
現金入ってくる状態を作る。

 

その現金で次の仕入れを行い、
事業全体を円滑に回し
健全化させる。

これが損切りです。

 

損切りはその商品1つを見たら
赤字かもしれません。

ですが現金が円滑に回ることによって
事業全体で見るとプラスになります。

 

ただしこの損切りもきちんとした
基準や考え方をもって
やらないといけません。

適当にやるとただ赤字処分を
しているだけになってしまいます。

 

損切りにこだわるあまり赤字だらけの
販売を続けて赤字経営になって
しまったら本末転倒です。
(これを損切り貧乏といいます)

バランスよく、きちんとした
明確な計画に沿って
損切りをしましょう。

 

もちろん普段から
不良在庫が出ないよう工夫は必要です。

それでも一定の売れない商品は
「あたりまえ」と思って
潔く損切りしましょう。

 

その損切りしたお金で
赤字を取り返せるような商品を
仕入れればチャラです。

せどりで不良在庫、売れない商品在庫を減らす方法

とはいえ、損切りは
「最終手段」です。

しないに越したことはありません。

 

普段から損切り対象となって
しまうような滞留品を出さない
取り組みは必要不可欠です。

・リサーチ力を上げる
・適正価格で早期に売り抜く
・価格改定をきちんと行う
・ライバルの多い商品を仕入れない
・仕入れ量を調節する
・寝かせておくべき商品を把握する
(なんでもかんでも処分しない)

項目を一つずつ
確認していきましょう。

 

・リサーチ力を上げる

当たり前の事ですが、滞留品の原因の
ほとんどがリサーチ不足によるものです。

売れると思って仕入れた商品が
売れなかった、という
単純なことが主な原因です。

 

リサーチの失敗自体はどんなプロや
熟練者でもある事です。

必要以上に気にしなくていいのですが、
その頻度は減らすように
しなければいけません。

 

売れない在庫が多いと思ったら
まずは自分のリサーチを
見つめなおします。

基本から外れていないかどうか
今一度考えてみましょう。

 

・適正価格で早期に売り抜く

利益率を上げようと高値で設定した
商品は当然ながら
回転率が悪くなります。

こうした商品、寝かせておいても
相場が変動しないようなら
強気の価格でも構いません。

 

ですが、長期間寝かせた商品というのは
大体が需要の減少やアマゾン在庫の復活
などで大きく価値を落とします。

欲張りすぎも
滞留品が増える理由の一つです。

・価格改定をきちんと行う

最初の頃は売れていたのに、
ある日ぱったりと売れなくなる。

そしていつの間にか残りの在庫が
滞留品化した商品はありませんか?

 

その場合、放置している間に
相場に変動が起きたかもしれません。

毎日価格改定をしていれば
こんなことにはありません。

 

しかしせどらーの中には
この価格改定をめんどくさがって
行わない人もいます。

価格改定は売るための
基本中の基本です。

 

毎日とは言いませんが、
できるだけこまめに価格チェックを
するようにしましょう。

ツールを使うことを推奨します。

 

・群れる商品を仕入れない

僕はライバルの多い商品を
「群れる商品」と呼んでいます。

ライバルが多い商品を仕入れると
どうしても回転率が悪くなります。

 

その供給を上回る需要がある商品なら
いいのですが、

できれば群れる商品は
仕入れない方がいいでしょう。

 

群れる商品の判別方法は
モノレートユーザを見ることです。

 

上記のように、
いきなり閲覧数が跳ね上がった商品は
注意が必要です。

その商品がどこにでもあるような商品だと
間違いなく群れるので
早く売ることができなのであれば

仕入れることを避けましょう。

 

閲覧数が多くても
市場に在庫が少ない商品の場合は
仕入れても問題はありません。

 

・仕入れ量を調節する

安く買えるからと言って、
安易に大量に仕入れるのも危険です。

大量に仕入れると
それだけ販売期間が伸びます。

その間に市場変動で
相場が変わるかもしれません。

 

大量仕入れをすること自体は
せどりで大きく稼ぐのにあたって
大事な要素であるので

チャンスがあるのなら
積極的に行うべきですが、

絶対に売り切れる理由が、
根拠がなければ、

極端に多く仕入れるのはおすすめしません。

 

かえって、リスクが高くなり
マイナスになることもあるからです。

 

大量仕入れをする場合は、
モノレートユーザ数を確認すること、

その商品が他の店舗でも同じように
一斉にセールをされていないのか
店員さんに聞いたり、

自分で調べることをして

安い価格でどこでも
販売されていないことだけ
確認してください。

 

・寝かせておくべき商品を把握する

商品が売れないからと言って
すぐに値段を下げて売り切れば
いいというものでもありません。

中には早まらずに
じっくり寝かせたほうが
いい商品もあります。

 

季節やイベントの特需で
いきなり需要が上がる商品です。

 

また、他にも、
いきなり出品者が増えた商品や
急激な変動があった商品は

出品者が
減れば相場が戻る可能性もあります。

 

その判断をしっかりと行いましょう。

 

群れた商品がまた値段が戻るかについての
判断の仕方は

店舗とオンラインで
その商品がどれくらい販売されているのか
その数と価格帯を調べます。

 

再販がなく、市場に在庫が少なくなってきたら
あるいは自分が仕入れた価格で
仕入れることが難しければ

出品者が減れば
価格は戻ってくるはずなので
待つ選択を考えます。

 

もちろん上がらないものを
寝かせる意味はありません。

大事なのは先の見通しです。

 

数か月後に確実に値が戻る、
もしくは上がると思ったら
慌てずにじっくりと待ちましょう。

もしFBAに預けていて、
保管料のかかる物だとしたら、
いったん返送してもらいましょう。

 

小物はFBA納品のままで良いですが、
標準、大型の商品だと
利益を削られるので

返送することをすすめます。

 

不良在庫や売れない商品を作らない仕入れ

不良在庫、売れ残る商品を作らない方法として、
「予約販売」と「空売り」という
技法もあります。

予約販売とはその名の通り、
あらかじめ商品を予約しておいて
Amazonで販売する方法です。

 

例えば1か月後に発売予定の
ゲームソフトを30個予約します。

Amazonで予約販売します。

25個売れたら予約した5個を
キャンセルして
25個を発売日に発送すればOKです。

 

空売りは「NETSEA」や
「もしもドロップシッピング」に
登録します。

注文が入ったらこれらのサイトから
商品を仕入れる方法です。

 

注文が入ってから仕入れるので、
売れ残りリスクはありません。

仕入れて販売するから
滞留品になるのです。

 

売れてから仕入れれば
滞留品は出ません。

リサーチに自信がない場合は
このような方法も可能です。

 

それでも売れない場合は損切り

色々な努力をしても
不良在庫は出ることがあります。

念入りにリサーチしたところで
Amazonの在庫復活のタイミングが

完璧に予測できるわけではありません。

 

リサーチしたときは確実に
売れるものでも数日後に
どうなっているかなんて分りません。

 

新品せどりに関しては
仕方がないものと割り切って
損切りしましょう。

損切りのタイミングですが、
リサーチ段階で「この位で売れるだろう」
と仕入れているはずです。

 

まずはその期限を過ぎたら
損切りタイミングです。

商品の特性によって様々ですが、
通常の商品は

大体僕は1~2カ月を
基準に考えています。

 

他にも急激に商品の相場が
下がったら損切りしましょう。

出品者や在庫が急激に増えて
相場が下落したかもしれません。

在庫量を確認し、
相場が戻る見込みが
薄そうなら損切りします。

 

「数か月後には戻るだろう」
は絶対にいけません。

これの繰り返しが滞留品なのです。

 

損切りの方法は2種類あります。

・Amazonでそのまま値段を下げて売るか
・他の販売先で売るか

です。

 

不良在庫は、
他のプラットフォームでは

いくらで売れるのか相場を調べることを
しましょう。

 

Amazonでは利益が取れない商品も
他の販売先であると

例えば、メルカリやフリル、ヤフオクなどで
あれば損失が少なくすることが
できることもあるし

稀に利益を出せることもあります。

 

なので、売れない商品を売り切る場合は
Amazonだけでなく
他の販売先も確認しましょう。

 

在庫が多い場合は、
Amazonと他の販売先の両方を使って
掃いてしまうのも一つの手段です。

 

Amazonで在庫処分をする際は
数が少なく、売れている商品であれば

カート価格や最低価格に合わせて
売りましょう。

 

売れていない商品であれば
値段を思い切って下げて

早く売り切るのも一つの方法です。

 

ただし、在庫をたくさんもっている状態で
それをやってしまうと、

相場が崩れて余計に価格が
下がってしまうので

在庫が多い場合は、相場に合わせる形で
売りさばいていきましょう。

 

相場が崩れた時の商品をもとの価格に早く戻す裏テクニック

群れた商品で価格が下がり
利益が取れなくなった商品は

早く相場を戻すために

自分が仕掛けるのも一つの手です。

 

僕がたまに使う手法としては
どんなことをしているかと言うと、

余計に値段を下げ、
相場をさらに壊すことをしています。

 

そのことによって
商品の回転速度が高まり
早く売れる分、

相場が戻るスピードも上がるのです。

 

損切りになった商品は
素人の方や、
価格が戻ることを読めない方で

資金の余裕がない人は

売り切りを急ぎます。

 

一度、損切りを選んだ人は
価格がどんどん下がっていこうが

もう、そのまま惰性で
売り切ることをします。

 

ツールでの価格改定も
カート価格や最安価格に追従するように
設定することが多いので

誰かが下げると

それに追従して
どんどん下がっていくという感じです。

 

それを狙います。

 

自分が大幅に下げて追従させて
相場をさらに潰していくのです。

値段が追従されたら
価格を上げて売りたい価格に戻し

あとは待機するだけです。

 

値段操作をするのは
FBA商品でなくても良いです。

自己出品でやるのも良いです。

 

FBAで在庫をすでにたくさん
送っている場合は

操作しづらいので
自己出品で行うと良いです。

万が一、商品が売れてしまったら、
FBA商品を送れば良いです。
(マルチチャネルをしている方のみ)

あるいはキャンセルをお客さんに
してもらえばいいです。

 

〆まとめ

損切りは誰もがしたくない行為です。
当然ですよね。

「自分で損をする決断をする」
行為ですから。

 

ですが、損切りで被った
「損」は一時的なダメージです。

いつまでも売れる見込みのない
「死んだ資産」を抱えていても
何の価値も生み出しません。

 

それより一時の赤字を受け入れて、
戻ってきたお金で「利益」を出した方が
いいとは思いませんか?

損切りは決して悪い事でもなければ
失敗でもありません。

必須のテクニックです。

 

正しい損切りをすることで、
在庫は常に回転し、
事業の財務状況は円滑に回るのです。

今回の記事を一言で言うならば
「損して得取れ」です。

正しい損切りで
是非事業の改善を図りましょう。