Amazonで本(書籍・雑誌等)を販売するとき、
「再販売価格維持契約」に
注意していますか?
「なにそれ?」と思った方は
今すぐこの記事を
最後まで読んでください。
再販売価格維持契約を理解しないまま
本(書籍・雑誌等)を出品すると、
場合によってはAmazonの規約違反で
「アカウント凍結」の可能性もあります。
ヘルビや食品を出品するときは
みなさん細心の注意を払いますよね。
要期限管理など、色々と面倒な規約や
決まりごとがあるからです。
しかし、本(書籍・雑誌等)の出品に
注意を払う人は
あまりいないでしょう。
ですが、実は本(書籍・雑誌等)にも
「再販売価格維持契約」という
面倒なルールがあるのです。
そこで今回はAmazonで本を
出品するときに欠かせない
「再販売価格維持契約」について、
「再販売価格維持契約」とは何か?
何が規約違反になるのか?
どう対応したらいいのか?
Amazonで本を売る時
必要になる知識を解説します。
この記事の概要
再販制度(再販売価格維持契約)とは?
Amazonで本を売るにはまず、
「再販売価格維持契約」について
理解しないといけません。
特に定価を超えるプレミア価格で
書籍を販売する場合。
この「再販売価格維持契約」を知らないと
Amazonの規約違反に
触れてしまう可能性があります。
「再販売価格維持契約」とは、
一言でいうと供給元が販売先に
「定価での販売を指示すること」です。
「うちの商品、絶対に
定価で売ってください。」というルールです。
1円でも高くしたり安くしたりして
販売してはいけません、という意味です。
通常、日本ではほとんどの商品で
この「再販売価格維持契約」は
適用されません。
自由で公平な競争を阻害するため、
「再販売価格維持契約」は
独占禁止法で禁止されています。
すべての商品でこれがまかり通ると、
お店はすべての商品を
1円も値下げできなくなります。
日本全国どこで買っても
すべての商品が
同じ値段になってしまいますよね。
自由な価格での商売ができなくなるのです。
あくまでこの「再販売価格維持契約」は
一部の商品のみに適用される
特殊な契約と言っていいでしょう。
そしてその特殊な一部が
「新品の書籍」なのです。
Amazonで「新品」の本を出品する
際は必ず「定価でないといけない」
というわけです。
プレ値はもちろん、安売りも禁止です。
ただし適用されるのは
「新品」の書籍のみで、
中古には制限がありません。
Amazonの「新品コンディション」
で売る場合のみの話です。
コンディションを「ほぼ新品」などに
した場合は「再販売価格維持契約」の
対象外になりますので問題ありません。
ただし、「新品」と「ほぼ新品」では
売れ行きが圧倒的に変わってきます。
なぜそんな契約(再販売価格維持契約)があるの?
この「再販売価格維持契約」は
昭和の頃からすでに効力を持っており、
その理由にも諸説あります。
良く言われるのが、
「文化に接する機会の損失を防ぐ」。
本には「文化的な価値」としての側面があります。
それ自体が知識であり、
教育であり、文化であるわけです。
そのため、日本全国で価格を統一して
文化に触れる機会を全国で
平等にしましょうという意味です。
そうしないと例えば東京で500円の本が、
輸送コストのかかる沖縄では
1000円になることも考えられます。
そうなると沖縄の人は
「知識・文化に平等に触れる機会」を
失ってしまうわけです。
また、価格に差が出ると地方の書店は
「売れない本」と「売れる本」を
明確に区別してしまうでしょう。
そうなると「高くても売れる本」ばかりが
印刷され、「安くしないと売れない本」は
出版すらしてもらえなくなるのです。
すると小さな印刷所はつぶれてしまいます。
大きな印刷所や出版社の
「売れる本」だけが出版され、
販売されることになります。
多種多様な文化的価値のある知識が
世に出ることを阻害してしまう
というわけです。
言論と文化を保護する観点から書籍に
関しては「再販売価格維持契約」が
適用されています。
以上の理由から独占禁止法の
対象適用外となっています。
ちょっと話が難しくなりましたね。
「価格を統一して誰でも平等に知識や
文化を発表し、吸収できる
ようにしましょう」
要約するとこんな感じの意味になります。
他にもいろいろと理由はあるようですが、
とにかく新品の書籍は定価以外で
販売していけないのです。
すべての書籍でこの「再販売価格維持契約」が適用されるの?
他の商品と違って書籍には
「再販売価格維持契約」が
適用されると書きましたね。
では、すべての書籍に
適用されるのでしょうか。
ややこしいことに、この
「再販売価格維持契約」はすべての
書籍が当てはまるわけではありません。
中にはこの契約に
当てはまらない書籍も存在します。
そういった書籍はAmazonでも
新品コンディションで、
好きな価格で販売できます。
この契約自体は複雑で面倒で
ややこしいのですが、対象の書籍の
見分け方はものすごく簡単です。
新品コンディションで出せるものは
新品コンディションで出した方が
圧倒的に売れ行きが良くなります。
是非見分け方を覚えておきましょう。
再販制度に該当する商品の見分け方
では実際に
「再販売価格維持契約」対象の
見分け方を見ていきましょう。
対象書籍(新品は定価販売)と
対象外(自由な価格で出せる)の
書籍の見分け方です。
再販制度に該当する商品
まず、対象書籍ですが、
本の裏側の値段表示を見てください。
商品の値段表示を見ると
その多くには「定価○○円」と
書かれていますよね。
「定価」と書かれていたら
「再販売価格維持契約」の対象商品です。
つまり新品としてAmazonに
出品する場合「定価」で
販売しないといけません。
この本でいえば2800円+税
(8%なら3024円)以外で
販売してはいけません。
1円でも高くしたり
安くしたりできません。
再販制度に該当しない商品
該当しない書籍には
「価格○○円」と書かれています。
定価とは書かれていないので、
プレミア価格でもセール価格でも
好きな価格で売っていいことになります。
また、値段表示に関係なく、
再販売価格維持契約は新品での話です
ので、中古書籍は対象外です。
新品で買ってきたものでも
Amazonで「中古」として出す場合は
自由な価格で販売することができます。
もう一つ例外があります。
・ 「バーゲンブック」
・ 「時限再販品」
このような名称で呼ばれる書籍は
「再販売価格維持契約」の対象外です。
これらは出版社の倉庫に眠っていた
ものを流通に回した「蔵出し品」
「在庫処分品」に近い書籍です。
本屋さんの一角で
ワゴンなどに山積みされているのを
見たことが無いでしょうか。
・ バーゲンブック
・ 謝恩価格本
・ 自由価格本
・非再販品
このような名前で売られています。
バーゲンブックには一目で
それと分かるようなシールや
スタンプが押されています。
CDやDVDのレンタル落ち品の
ようなものを想像すると
分かりやすいかもしれませんね。
このバーゲンブックも
「再販売価格維持契約」の対象外です。
ただし、このバーゲンブック。
売れ残りの
人気のないタイトルが多いです。
また蔵出し品だけあって
あちこちの倉庫や書店を行き来
しているので状態が良くありません。
シールやスタンプも押してあるため、
新品コンディションでは出せません。
書籍以外の「再販売価格維持契約」対象品3品
実はこの「再販売価格維持契約」ですが、
書籍以外にも
対象ジャンルは全部で3つあります。
・ CD・レコード
・ 新聞
・ カレンダー
意外と知られていないことですが、
CDも「再販売価格維持契約」
の対象品目です。
CDの予約転売をするときは
注意しないといけません。
見分け方は書籍同様「定価」と
あれば新品コンディションで
売る場合は定価販売のみ。
価格と書いてあったら
自由な価格販売可能になります。
定価とも価格とも書いていない
CDもありますがその場合は対象外
になるので好きな価格で販売可能です。
ただしCDの場合、
「再販売価格維持契約」の効力は
発売から6か月間のみです。
それを過ぎたら定価と書いてあっても
新品コンディションで好きな価格を
付けて売ることが可能です。
例外として
限定盤などに多い「DVD付CD」。
これはCDではなくDVD扱いに
なりますので、「再販売価格維持契約」の
対象外です。
定価と書いてあり、6カ月以内でも
新品コンディションで
プレ値販売が可能です。
*DVDには、再販売価格維持契約はありません。
プレ値で本、CD、カレンダーを販売する方法
今回難しい単語や固有名詞が
出てきたのでここで整理しましょう。
品薄のプレ値書籍や雑誌を仕入れてきて
Amazonで販売する場合。
安易に新品コンディションで出品せず
「再販売価格維持契約」の対象品か
どうかを見ましょう。
・値段表示が「定価○○円」→対象品 新品プレ値販売×
・値段表示が「価格○○円」→対象外品 新品プレ値販売○
対象品をAmazonでプレ値で売りたい
場合は中古コンディションで
販売しないといけません。
「新品」で出品した場合
規約違反となります。
対象外の商品には制限はありません。
新品コンディションとして
好きな価格で販売が可能です。
〆まとめ
新品の本、CD、カレンダーを扱う場合は
「再販売価格維持契約」に
注意しなければいけません。
Amazonでプレ値の書籍を
新品として出品できる
商品は多くありません。
制度を知らずに書籍を出品すると
Amazonから警告が来て、最悪の場合
アカウント凍結の可能性もあります。
そうならないよう、書籍を扱う際は
今回の「再販売価格維持契約」を
覚えておいてください。
しっかりと知識を身に着けて
取り扱うようにしましょう。