せどりで収益を上げると確定申告を行わないといけません。
最初はわからないことがいっぱいだと思うので、
あとで困らないように、解説します。
この記事の概要
せどりの確定申告をスムーズにするために最初からすべきこと
・仕入れ用のクレジットカード
・経費用のクレジットカード、
・プライベート用のクレジットカード
の3つに分けましょう。
口座に関しては、個人事業主の間は、
プライベートと事業が混雑したものでも構いません。
分けてできるのであれば、分ける方が望ましいです。
クレジットカードを3種類に分けたら、
あとは、その決めた通りに使い分けをしてください。
分けることでのちに確定申告が進めやすくなります。
プライベート以外は、現金は極力使わないようにし
クレジットカードや電子マネー、キャッシュPayで支払うと
レシートによる計算をしなくていいので楽です。
所得に対しての税率と納税額の算出
日本は累進課税なので、所得が上がれば上がるほど、
税率が上がるようになっています。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円~330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円~695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円~900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円~1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円~4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円~ | 45% | 4,796,000円 |
例えば「課税される所得金額」が500万円の場合、
納税額の算出は、
500万円(所得額)×0.2(税率)-427,500円(控除額)=572,500円
になります。
せどりで確定申告の対象になるのは収益がいくら上がった時か?
副業の方でせどりで年間の利益が20万円以上出たら、
確定申告をしないといけません。
専業の方については、年間の利益が38万円以上になると
納税の義務があります。
利益については、売上-仕入れ費-Amazon手数料-経費を
差っ引いたものです。
Amazonでの入金額やプライスター上の利益では
ありませんので注意してください。
在庫についてですが、
在庫は売れた分を仕入高の経費として計上できますが、
その年度で売れ残ったものは、仕入高として計上できないので
注意してください。*費用収益対応の原則
1月1日~12月31日の間で仕入れて売れたものが仕入高として
計上できます。
そのため、年度末あるいは法人の場合は、決算月日に
在庫を減らすことをしています。
仕入高の計算
仕入原価は、【前年の在庫】+【今年仕入れた商品】ー【年末に残っている在庫】=売上原価
で計算します。
年末に残った在庫のことを期末商品棚卸高と言います。
前年に残った在庫商品のことは期首商品棚卸高と言います。
申告書の作成手順
「青色申告」と「白色申告」を選択し、
申告する年の1月1日〜12月31日まで1年間の売上・経費を集計します。
せどりの申告の種類
事業所得の確定申告には「青色申告」と「白色申告」の2つがあります。
それぞれ解説します。
青色申告
税制上のメリットがあります。
ただし、申告にあたって複式簿記での書類提出を
しないといけないので、
白色申告のように、すぐに簡単には、
書類作成ができません。
青色申告をするためには、指定の期日までに管轄の税務署に
「青色申告承認申請書」を提出しなければなりません。
白色申告
白色申告は、青色申告に比べて税制上のメリットが少ない代わりに、
複式簿記での書類作成が要らず、単式簿記での作成で簡単です。
収支があまり上がっていない場合は、
青色申告による控除のメリットがないので、
白色申告をされると良いです。
確定申告の書類の勘定科目についての説明
減価償却費
1年以上にわたって利用でき、
白色申告は、10万、青色申告は、30万の
資産価値があるものは、
経費になるものでも、その年に一括で計上することが
できません。
ただし、青色申告の場合は、
年300万までなら、その年の経費としてみなすことができます。
年300万を超えた場合のものについては、
定額法でその年に計上できる金額を算出します。
定額法は、買った代金を毎年同じ金額で経費にする計算方法で
買った金額×償却率×使用した期間(月数)×使用している割合
で求めます。
償却率は、下記の表を見てください。
耐用年数については、以下からどれくらい持つものか
調べてください。
外注工賃
外注で使う経費です。
AmazonへのFBAの手数料や在宅外注さんへの支払いや
納品代行への支払いになります。
給料賃金
従業員への給料です。
地代家賃
事務所の家賃や倉庫、あるいは、
駐車場を借りていた場合の駐車料金です。
自宅を仕事場として利用している方は、
そのスペースに応じて、家賃を按分して金額を出しましょう。
荷造運賃
FBAへ送る配送料と自己発送の配送料です。
他にも、商品を発送するのに使った
段ボールやガムテープも含まれます。
水道光熱費
事務所の場合は、全額ですべて出しましょう。
自宅を仕事場としても利用している方は、
水道料金はせどりでほとんど関係ないので
含めないでおきましょう。
電気料金は、部屋で仕事をしているのに、
照明やエアコンやパソコンなどを使用するので、
経費として計上できます。
ビジネスに当てている時間と関係ある電気代を
算出しましょう。説明できる程度でざっくりで良いです。
ガス代はせどりでの仕事に使うことはないので、
計上しないでおきましょう。
旅費交通費
セミナーやせどりの遠征で電車や飛行機、
バス、タクシーなど利用した場合に計上できます。
車のガソリン代も含みます。
通信費
インターネット、電話代など。
広告宣伝費
アルバイト募集での広告をかけた場合は含まれます。
接待交際費
セミナーなどでの懇親会の食事代など
経費として落とすことができます。
損害保険料
自動車保険、自賠責保険、火災保険。
生命保険
名前の通りです。
修繕費
店舗せどらーさんなら車のメンテナンス費用などが
該当します。
修繕、修理、点検。
消耗品費
雑費との違いですが、
消耗品費は、
価格が10万円未満で
使用できる期間が1年に満たないものを含めてください。
プリンターインク、用紙。
福利厚生費
従業員への通勤手当を支給していた場合、
福利厚生費に含めることができます。
他にも、結婚や出産の祝い金、弔慰、傷病見舞金も計上できます。
雑費
以上の項目に当てはまるものがないもについて
せどりのビジネスに関するものであれば、
雑費として上げましょう。
売上原価
仕入代金。
売れたものだけ計上できます。仕入れいても売れてなければ
計上ができません。
利子割引料
自動車ローン、住宅ローン、事業用資金の返済利息
ガソリン代
ガソリン、オイル代。
振込手数料
教材やコンサル代への銀行口座からの振込手数料代。
販売手数料
Amazonへの販売手数料。
研修費
スキルの向上のために習った
書籍代
本代。
会議費
会議室のレンタル代。
せどりに関わるレシートや領収書類の保存期間
事業に関する帳簿は、保存義務があります。
白色申告の場合では、法定帳簿は7年間、
その他の任意帳簿や書類については5年間の保存義務があります。
帳簿は、税務調査などで調査官から提示を求められた際に
提示する必要がありますので、必ず残しておきましょう。
捨ててしまうと完全、不利になってしまいます。
税務調査が入った場合、調査官は、
納税者の財産や収入、支出の現況、
事業の規模や取引量などから所得の金額を推計して課税することができる
法律があるので抗えません。
調査官の仕事は税金を少しでも多く確保することが仕事ですしね。
せどりで経費にできる一覧
・インターネットの回線費
・スマホあるいは固定電話の料金
・光熱費
・家賃
・梱包材費
・パソコンやモニター、マウス、プリンターなどの設備
・書籍代、ネット商材
・セミナーやコンサルなどの費用
・交通費
・宿泊費
・ガソリン代
・取引先や関係者との打ち合わせなどの飲食代
・外注先へ支払う外注費
・スタッフへ支払う給料
などがあります。
自宅を仕事場として使用している場合は、
せどりで使用しているスペース分を按分(あんぶん)して
金額を算出し経費に当ててください。
事務所を借りている方は、事務所は全額、
自宅にも仕事スペースを設けている場合は、
自宅を按分してください。
自宅を仕事場にしている方は、
過度に何でもかんでも経費にすると良くないので、
目をつけられない程度に抑えておく方が無難でしょう。
確定申告に必要な書類
・マイナンバーカード
・国民健康保険の支払金額がわかるもの
・国民年金の控除証明書
・生命保険料や地震保険料の控除証明書
・医療費控除や住宅ローン控除を受ける場合はそれらに関する書類
・副業での収益がわかる給与所得の源泉徴収票
が必要になりますので準備して下さい。
あとは、最寄りの税務署で確定申告書をもらい、
記入すればOKです。
国税庁ホームページからダウンロードすることも可能です。
→国税庁ホームページ
ちなみに所得税の確定申告書には上記のように、
AとBがあります。
せどりの事業者は、確定申告書はBになりますので注意してください。
青色申告の申請書を提出している人は、
他に「所得税青色申告決算書一般用」、
白色申告をする人は「収支内訳書(一般用)」のダウンロードをしてください。
税務署へ持ち込みする場合は、印鑑も持っていきましょう。
書き方について教えてもらいながら、申告書を作成したい方は、
・クレジットカードの利用明細
・銀行口座のコピー
・領収書
・レシート(現金仕入)
も用意しましょう。
せどりの確定申告に必要なデーターをAmazonセラーセントラルから取得する方法
Amazonセラーセントラルにログインします。
レポートからペイメントを押します。
期間別レポートを押し、
レポートを生成を押します。
カスタムを押し、開始日を1月1日、終了日を12月31日にして
レポートを作成を押します。
数分待つと、実行内容は進行中だったのが、
ダウンロードに変わっています。
ダウンロードを押します。
わかりやすい保存先、デスクトップなどに保存します。
エクセルでファイルを開くことができるので、
あとは、商品売上高の項目を関数のサムを使って
合計して金額を算出します。
これで売上のデーターを取得できます。
申告書の売上金額に取得した金額を書き込みます。
Amazonの手数料については、
経費の空欄に記入します。
その他、仕入高については、仕入用の
クレジットの金額を合計し、
消耗品費な通信費など経費として計上できるものを
すべて項目に分けて書きます。
青色申告で65万円の特別控除を受ける場合には、
青色申告決算書4ページ目の貸借対照表の添付が必要になります。
そのため、複式簿記によって作成した帳簿書類より、
貸借対照表を作成する必要があります。
確定申告の期限
申告は、毎年、2月16日~3月15日
(3月15日が土日祝の場合には、翌平日)までになります。
この期限を過ぎてしまうと、加算税や延滞税など余分に
税金を持ってかれるので、必ず期限内に提出できるようにしましょう。
消費税の確定申告の期限は3月31日までです。
せどりで係る消費税の計算方式
消費税の納付額ですが、
多くの方が間違った認識をしている方が多いので先に説明しておきます。
例えば、売上1,000万円の場合、
消費税として納付する額は、
売上高×消費税8%の80万円を納付する
と思われていますが、そうではありません。
消費税は、
利益に対して8%掛かって来ます。
あるいは、売上の1.8%で算出することもできます。
消費税の納付額の計算は、
このように2つの方法があります。
・本則課税
・簡易課税
の2種類を選ぶことができるので
自分の事業での税金の支払いが有利になるものを
選択すべきです。
それぞれの消費税計算方法について説明します。
本則課税
(売上 – 課税対象経費)× 消費税率(8%)
例えば仕入れ値が5,400円の商品を10,800円で販売した場合に
納付する消費税の額は以下になります。
売上で支払った消費税-仕入れ値の消費税=納付する消費税額
800円-400円=400円
この場合では400円が納付する消費税額となります。
実際の納付額は、上記の金額から備品など
経費の仕入れで支払った消費税も差し引きした金額となります。
簡易課税
売上 × 20%(業種毎に変わる) × 消費税率(現在8%)
業種毎にみなし仕入れ率が決まっています。
せどりの場合は小売業に該当するため、
みなし仕入れ率は仕入れ値の80%になります。
例えば仕入れ値が10,000円の場合に納付する消費税の額は以下になります。
10,000 × 0.08 – (10,000×0.8) × 0.08
つまり仕入れに対する消費税800円-みなし仕入額に対する消費税640円=160円
この場合では160円が納付する消費税額となります。
簡易課税方式では、一品一品の原価率や利益率を計算せずに、
一律で小売店の原価率を乗算し、
売上1.6%の消費税を納付します。
つまり、みなし仕入率である80%より、
利益率が高い場合は、
簡易課税の方が、税金を安く支払うことができます。
その反対にみなし仕入率より利益率が低い場合は、
簡易課税よりも、本則課税の方が税金が安くなります。
注意点は、簡易課税方式は、
売上高が年間5,000万円を超えると利用できなくなります。
消費税計算方式の届け出
課税業者になると税務署から、
消費税計算方式選択の届出が送られてきます。
前に説明した、2種類の消費税の計算方式の
どちらで行うか事前に連絡しないといけません。
注意点は、
一度選択した消費税計算方式は2年間変更できないことです。
なので、利益率を計算したうえでシュミレーションを
行うようしましょう。
〆まとめ
今回は、確定申告のやり方を解説しましたが、
月収10万を超えたら、税理士さんに確定申告はお任せしましょう。
数字管理することも大切ですが、
これらの書類作成に時間を取られていては、
売上を伸ばすことはできません。
個人事業主の間の社長の仕事は、
売上を伸ばすことです。
せどりで言うと、リサーチや仕入です。
そこに時間を割けるようにしましょう。